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2019年にブログを始めました。趣味はゲームが5割、読書やらアニメ鑑賞やらが3割、残りはその都度新しい何かをやってます。

今後は特定多数への売り込み時代になる【書評】

2021年やることリストに書いた企画「書評」。

はじめての挑戦で楽しみ半分難しさ半分で複雑な気持ちに…w ですが、頑張ってお届けしていきます。今回読んだ本、および書評対象はこちら。

ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)”(佐藤尚之 著)

目次

この本は「創作活動中の方」に読んで欲しい

ファン ベース とは、 ファン を 大切 に し、 ファン を ベース に し て( ベース には、 土台、 支持 母体 などの 意味 が ある)、 中 長期 的 に 売上 や 価値 を 上げ て いく 考え方 だ。

佐藤尚之. ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) (Kindle の位置No.62-63). 筑摩書房. Kindle 版.

ファンベースの基本的考え方。言葉では特に問題なく理解できますね。

ライブ配信者やフリーのイラストレーターなどなど、視聴者を集めやすい人でも最近ではファンベースを重要視しているように見えます。

例えばYoutubeを例に挙げるとすれば「サブスクライバー限定コンテンツ」ですよね。

お金を払ってくれるメンバーにだけ恩恵があるようなものです。コンテンツの主に対して価値を感じ、お金を払う。うまくファンベースを取り入れた形になっています。

引用文に関しては少し考えてみただけでも身の回りにたくさんあると気付き、既に時代の流れが来ているのが分かりますね。

ただの視聴者ではなくファンを作れ

ファン ベース が 必然 な 3 つ の 理由
(1) ファン は 売上 の 大半 を 支え、 伸ばし て くれる から
(2) 時代 的・社会的 に ファン を 大切 に する こと がより 重要 に なっ て き た から
(3) ファン が 新た な ファン を 作っ て くれる から

佐藤尚之. ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) (Kindle の位置No.359-363). 筑摩書房. Kindle 版.

Youtuberのコラボ動画、挿入広告などで一過性のある集客を行ったと仮定します。

効果によって一時的に増えはするものの、多少見たあとはキレイサッパリ忘れて終わりです。リピートもなければ、オススメなんて1%の確率の無いでしょう。私のブログだってそうです。ほとんどの人がパッと見てパッと去る。ファンではないからです。

引用文のようにファンベースを念頭に入れて活動していかなければいけません。

なぜなら現代は「超高度情報社会」だからです。1秒間、1分間に発信されている情報の量は凄まじく、もはや数え切れないほどの情報量で溢れかえっています。

情報は消費され続けるのです。

そんな中でファンではない人が取る行動というのは「情報めぐり」。次から次へとコンテンツを回り、自分がファンになれるコンテンツを探すんです。

似たような行動をしたことはありませんか?例えば、SNSやYoutubeを見て、気になる人が居ればフォロー/登録する。ずっと見ていると飽きてしまい、他の面白そうな人やものを探す。ひたすらこれの繰り返しです。

山程ある宝箱に対して、自分が数本しかない鍵を持っています。では、その鍵を使って開けたいと思う宝箱はどんなものでしょうか?

  • 大きいもの
  • 噂できいたもの
  • 見た目が華やかなもの
  • 嬉しいものが出ると分かっているもの

これらの中から鍵を使うとしたらどれに使うでしょうか。

私達がお金を払ってもいい(鍵を使いたい)と思うのは、自分がどこかしらに魅力を感じているコンテンツのみじゃないですか?

私は有名ストリーマーであるShaka(釈迦)さんのTwitchサブスクライバーです。彼の配信するコンテンツは凄腕プレーや、頭脳を使ったテーブルトークゲーム、ゲームの大会など多岐に渡りますが、どれも強いし、面白いし、笑えます。私は彼の魅力に価値があると感じて毎月のサブスクライブを登録しています。

誰もが発信できるからこそ埋もれてしまう

今の世の中は超がつく情報社会です。情報が社会を作っていると言っても過言ではないのです。何をするにしても情報を発信し、受け取り、行動を決めています。

パソコン・スマートフォンが普及してからは爆発的に増加し、2010年の段階で全世界にある情報量は「世界中の砂浜にある砂の数(1ゼタバイト)」だと言われています。(ゼタ=メガ、テラ、ペタ、エクサのさらに上の桁。1021

そんな溢れすぎている情報量の中でも、私達は取捨選択を繰り返しています。自分の経験や価値観とマッチするもの。美的センス、共感する理念などに惹かれて、コダワリを強く育てていくのです。

やっぱりバイクはHONDAだよね。みたいな、信じるメーカーは誰にでもありますよね?

一度何かのファンになったとき、同カテゴリで別の提供者に鞍替えすることって…あんまりないんじゃないですかね?業界が成熟しきっていて、選ぶにも困らない。

そんな状態からあえて選ぶ時、細かい自分なりの「好きポイント」での選択になっています。これはもはや無意識的に選んでいる場合もあります。この前もそうだったし、今回もそうしよう。というね。

情報量が多すぎるせいで、見たもの/聞いたものはすぐ忘れてしまいます。脳が情報でパンクしないように忘れるように作用しているからです。

短期的なキャンペーンやコラボで露出したとしても、中長期の獲得に繋がらないんですね。地味にいいかも?と思わせた次に、ファンになってもらうための継続的なアクションが必要になってきます。

埋もれてしまうのは仕方がないことだと言えます。Twitterでフォローが1000もあると、とても追いきれません。誰が何を言っているのか全部追いかけるなんて到底不可能です(時間がもったいなくて。)

ただ、ファンには届くんです。通知設定やリツイート、リストなどを駆使して「知りたい情報はキャッチできるようにしている」のは間違いなくファンです。普通の人はそこまでしません。

誰よりも早く新しい情報を、今か今かと待ちわびているのがファンなんです。

だからこそ、ファンベースを基本的な考えとして、ファンを増やしていく必要があるのだと確信しました。

ファンと一緒に作っていく「身内化」

彼ら は ユーザー を スノーピーカー と 呼ん で 身内 扱い し て いる の だ が、 社長 の 山井 太 さん は、 自ら 年間 4000 ~ 5000 人 くらいの スノーピーカー と 一緒 に キャンプ を し、 今や、 のべ、 なんと 10 万人 以上 と 一緒 に キャンプ し て いる という ので ある。

佐藤尚之. ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) (Kindle の位置No.2154-2157). 筑摩書房. Kindle 版.

キャンプ用品メーカーのSnow Peak(スノーピーク)、本社の敷地内には広大なキャンプ場がある、有名な企業です。

広々としたキャンプ場を利用できたり、スノーピーク製品をレンタルして宿泊できたり、キャンプ初心者にも優しいサポート体制まで整えています。

体験を伴うコンテンツはより一層ファンを強くします。キャンプ初心者の頃にスノーピークでちょっとした講習みたいなのを受けたとしたら、、間違いなくファンになるでしょうね。キャンプグッズはスノーピーク!と言うぐらいのファンになっていても全然おかしくありません。

ここから学ぶのは「身内化」です。
楽しい時間もそうですが、楽しいと思えるコンテンツを「共創」する。

例えば、サブスクライバー限定で参加型イベントを行ったり、自分が出したお題に対してサブスクライバーに答えてもらったり。採用されたサブスクライバーは大喜びでしょう。

好きな劇団のショーを見ていて、偶然参加型のステージに上がったと想像してみてください…コア・ファンになるのは間違いないですよ。嬉しさやら恥ずかしさやらあると思いますけども、体験を伴う特別な感情がファンを育てるのは確実です。

人口減少で購買総数そのものが減る未来

計算 上 は、 毎年 100 万人 もの 人口 が 減っ て いく。 100 万 都市 で ある 千葉市 や 仙台市 が 毎年 ひとつ ずつ なくなっ て いく ペース なの だ。  
これ は すなわち、 大切 な 商品 に 出会っ て くれる はず の お客 さん が 物理的 に 減っ て いく、 という こと だ。

佐藤尚之. ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) (Kindle の位置No.532-535). 筑摩書房. Kindle 版.

私達の身の回りを見てもそう。少子高齢社会が激しく進んでいるのは実感できますね。成人が多いということは、既になんらかのファンである可能性は非常に高いです。

類似したコンテンツで新たなファンを得るというのは難しいでしょう。いわゆるレッドオーシャン状態で、既に溢れているのですから、後発組が不利なのは簡単に想像できますよね。

レッドオーシャンとは:競合がひしめき合う激しい競争状態にある既存市場のことを「レッドオーシャン」と呼びます。文字通り「血で血を洗うような真っ赤な海」のような市場です。
(引用:マイナビニュース_https://news.mynavi.jp/article/20190514-820145/)

人口の減少と共にファンになってくれるはずの人物が減っていく。なかなか大変な事態です。売ろうにも買ってくれる人がいなければ成立しませんからね。

だからこそ、わざわざ選んでくれる「ファン」が欠かせない存在になってくるのです。

ファンは提供されれば喜んで受け取る

ずっと 広告 や 宣伝 は「 妨害 型」 だっ た。   例えば、 テレビ で ドラマ に 惹き 込ま れ て いる 人 の 前 に 脈絡 なく 突然 CM として 現れ、 インパクト 強い 表現 で、 ドラマ に 集中 し て い た 意識 を 妨害 し 商品 名 を 脳みそ に 入れ 込ん で くる。 (中略)

それ に 比べる と、 ファン ベース という 考え方 は、 ずいぶん 違う。  
なぜなら、 企業・ブランド・商品 の ファン は、 その 情報 を「 望ん で いる」 からで ある。 だって ファン だ からね。 求め て いる ので ある。  
言う なれ ば、 妨害 型 と いう より「 提供 型」 だ。  
妨害 し て 無理やり 広告 を 見 させる のでは なく、 望ん で くれる 人 に 謹ん で 情報 を 提供 し ます よ、 という 感じ に 近い。  
そして その 提供 は、「 笑顔」 をもって 迎え られる。

佐藤尚之. ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) (Kindle の位置No.2672-2685). 筑摩書房. Kindle 版.

ぶっちゃけCMって邪魔だと思っています。YoutubeでもTwitchでも、配信の冒頭や間に流れてくる広告は鬱陶しいものです。

それと比べてファンベースでの広告・宣伝は「提供型」だと言います。サブスクライバー限定チャットも、サブスクライバー限定参加型イベントも「提供型」ですよね。

サブスクライバーだとしても望まなければ参加しなくてもいいですから、使いたかったら使ってねと選択の自由を含んでいます。

ファンはその提供を快く受け取ってくれるため、より効果的な宣伝になるのがファンベースでの考え方です。

広告はとにかく数を打て!と言わんばかりに同じCMばかり見てはうんざりし、ファンになるどころか逆に嫌いになっていきます。なぜなら、そうして見せられる広告は「一方的に割り込んでくる」からでしょう。求めていないのにしつこくアタックしてくる…そりゃまぁ、お察しの通りです。

最後に感想

ファンベースっていう考え方は少しながら知っていた部分がありました。しかし、この本では定義から始まり細部まで細かく解説してあります。これから売れ続けていくためにはをテーマにして、企業やコンテンツを発信する側がどういった戦術で挑むべきかを記しています。

冒頭で「この本は「創作活動中の方」に読んで欲しい」と書きましたが、伝わりましたかね??

何かを発信する時、何かを作る時、その方は創作活動中です。カテゴリこそ違うかもしれませんけども「面白いこと」を伝えたいのは間違いないでしょう。

ゲーム配信であれば、人気の配信者はその人にしかない何かを持っています。

イラストレーターであれば、その人にしか描けない味が必ずあります。

会社・企業であれば、どこにも負けない何かがウリになっています。

コンテンツを発信し続けていく中での難しさは「ファンの獲得」だと思います

Youtubeのチャンネル登録者数が伸びないのはファンがいないからです。Twitterのフォローが増えないのも、ブログの閲覧数が伸び悩むのも、すべてはファンがいないからです。

誰もが発信できる手段を持っている中で、頭一つ抜けた発信者になるには欠かせないのが「ファン」であり「大事にすべき存在」です。

1人でもファンがいれば、その1人のファンが自分を周りに知らせてくれます。ただ、ファンというのは弱い生き物です。あなたのファンだよ!というのに自信を持てなくて、隠し続けることもあります。声が大きい人だけがファンではありませんから、当然です。

でも安心してください。皆が皆、ファンであることに自信がないわけではありません。

ファン同士での交流があればファンは自信を持ってあなたのファンであると発信できるのです。ファンが自信を持てないのは、有名・人気でもなんでもない人をオススメして失敗するのが怖かったり、一度オススメしたもののうまくいかなかったりという失敗の経験によるものもあるんです。

だからこそ、短期キャンペーンで露出したあとは必ずファンを獲得できるように、中長期的な施策をもって望まなければいけません。どんなきっかけでもかまいません。発信者であるあなたのことを忘れてしまわないように、繋ぎ止めておくだけですから。

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